なぜ中学生のうちに太ってきてしまうのか?
「中学生になってから、急に太ってしまった」
「食べれば食べただけ体重が増えてしまう」
という悩みを抱えている人は多いと思います。中には「これでは好きな人に嫌われてしまう!」と慌ててダイエットを始めようとしている人もいるかもしれませんね。
しかし、中学生になって太るにはきちんとした理由があるのです。
中学生になると、私たちの体は徐々に大人の体へと変わっていきます。中学生の時期は、骨や筋肉がとても発達しやすい時期です。そのため、体が栄養を蓄えやすくなっており、小学生の時と比べて太りやすくなる人が少なくありません。
また、中学生になると部活動などで体を動かすことも多くなると思います。体を動かすと骨や筋肉が発達するので、その分体重が重くなり、太ったように感じられるのです。太っているかどうかを判断するには、一般的に「BMI」などの数値が用いられます。
しかし、中学生の場合は成長期なので、BMIではなく「ローレル指数」を用いたほうがより的確に太っているかどうかを判断することができるので、計算してみましょう。
ローレル指数は次の計算式で計算することができます。
- 「ローレル指数=体重(kg)÷身長(cm)3×107」
ローレル指数が145から160未満で肥満ぎみ、160以上で肥満です。
100未満 | やせ |
100~115未満 | やせぎみ |
115~145未満 | 正常 |
145~160未満 | やや肥満 |
160以上 | 肥満 |
ローレル指数は、あくまでも身長と体重から求める数値です。そのため、太っているかどうかの目安にはなっても、実際に太っているかどうかをローレル指数だけから判断することはできません。より正確に自分が太っているかどうかを知りたいのであれば、体脂肪に注目してみましょう。
皆さんのような中学生の場合、おなか周りが80cm以上になると肥満と判断されます。
ダイエットは健康が一番ということを忘れずに
「少しでも痩せたい!」「かわいくなりたい!」と思うのは自然なことです。だからといって、ダイエットの方法を間違うと、体や心を壊してしまうので注意しましょう。ダイエットを行う際は、「それが本当に必要なダイエットなのか」を良く考えるようにしてください。
「きれいになりたい!」「モテたい!」という安易な気持ちでダイエットを始めないことが大切です。
例えば、健康診断で医師から「痩せましょうね」と言われたとか、太っていることで膝や腰が痛いとか、そういった問題が無ければ無理にダイエットをすることはおすすめしません。
それでもどうしてもダイエットをしたいのであれば、方法を工夫することが大切です。というのも、皆さんの体は成長期で、骨や筋肉がどんどん発達する時期です。その時期に極端な食事制限をしたり、絶食をしたりすると、骨や筋肉が十分に発達しません。
また、女子であれば生理が来なくなってしまったり、食べ物が喉を通らなくなる「摂食障害」に陥ってしまう恐れがあります。雑誌やテレビを見ると、スリムなモデルさんやタレントさんが活躍していますね。憧れる気持ちもわかりますが、無茶なダイエットをしても彼女たちのようにキレイになれるわけではありません。ダイエットとは、ただ痩せることではありません。より健康な体になることがダイエットなのです。
ダイエットで気をつけたいポイント4つ
では、ダイエットをする場合、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。中学生がダイエットをする上で気を付けたいことは大きく4つです。一つ一つ見ていきましょう。
1.痩せすぎに注意する
ダイエットをしていると、どんどん痩せていくのが楽しくなって、ダイエットを止められなくなってしまう人がいます。その結果、他人から見れば不健康なほど痩せていてもダイエットが止められず、最終的には命に危険が及んでしまうこともあるので、注意しましょう。
ローレル指数などで自分の適正体重を知り、その体重以上に減量することは避けてください。痩せていればいるほどカワイイ・キレイというのは、間違った思い込みです。体重計の数字ばかりに囚われず、程よく筋肉が付いたスレンダーな体を目指しましょう。
2.必要な栄養素はきちんと摂る
ダイエットをしている人の中には「肉や魚は一切食べない」「ごはんやパンは食べない」という人も少なくありません。確かに一時的には体重が落ちますが、こういったダイエット方法は決して健康的とは言えません特に皆さんのような成長期の場合、栄養が足りなくなると骨や筋肉の発達にも悪い影響が出ます。
ダイエットをしていても、きちんと食事は摂りましょう。1日3食をバランスよく食べることが大切です。家の人に肉や魚、野菜、炭水化物のバランスを考えた献立をリクエストしてみましょう。
もちろん食べ過ぎには要注意です。どんなにバランスの良い食事でも、食べ過ぎれば肥満の原因になります。「もう食べられない!」というまで食べずに、「もう少し食べたいな」というぐらいで食事を終えるようにしましょう。腹八分目を目安にするのが健康的なダイエットのポイントです。
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3.しっかり運動する
皆さんの中には、運動が苦手・嫌いという人もいるかもしれません。しかし、適度な運動は筋肉の発達を助けるだけでなく、ストレス発散にも良いので、ぜひ少しずつ体を動かしてみましょう。
私たちの体は、何もしない時でもエネルギーを消費しています。この「何もしなくても消費されるエネルギー」を「基礎代謝量」といいます。筋肉が増えると基礎代謝量がアップし、痩せやすく太りにくい体になるので、積極的に運動して筋肉を付けましょう。
運動が苦手な人の多くは、体育の授業で運動が嫌いになってしまったのではないでしょうか。しかし、自分のペースで行う運動は体育の授業とは全くの別物です。いつもより少しだけ速足で登下校をしてみる、家に帰ったら腹筋や背筋をする、などできることからで良いので始めてみましょう。ペースが遅くても、回数が少なくても、誰も文句は言いません。成績が付くわけでもありません。
まずは無理のないペースで体を動かしてみてください。
4.ぐっすり眠る
皆さんは、寝る直前までスマホやゲームをしていたりしませんか?もしベッドの中でスマホやゲームをしているようなら、今日からそれはストップしましょう。
子供の肥満と睡眠不足には深い関係があると言われています。ぐっすり眠れないと、ホルモンのバランスが崩れ、疲れやすくなったり、偏食がちになったりして、結果的に太りやすい生活習慣が身に付いてしまうので注意してください。スマホやゲームは寝る1時間前までにストップしましょう。
また、寝具を見直すことも大切です。暑すぎる寝具や寒すぎる寝具は、睡眠の質を低下させてしまいます。もし寝つきが悪いようであれば、寝る前に軽くストレッチをしてみてください。ぐっすり眠れるようになると、体の代謝を司るホルモンの分泌が良くなるだけでなく、体も疲れにくくなり、毎日をより元気に過ごせるようになります。
最後に
中学生のダイエットは、大人のダイエットに比べて体への負担が大きいものです。医師から「痩せましょう」と言われたり、太っていることで健康が損なわれていたりするのでなければ、無理にダイエットはしなくても良いでしょう。
どうしてもダイエットをしたいのであれば、できるだけ保健室の先生や医師などに相談して、無理のない方法で行うことが大切です。
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