足の速い人を観察してみよう
足の速い人といえば、短距離走で活躍する陸上選手。陸上選手の走り方の特徴をみてみましょう。
陸上選手はフォームが美しい!
陸上選手には様々な個性があり、走り方もそれぞれ違いますが、多くの選手に共通しているのが安定したきれいな姿勢で走っているということです。姿勢=フォームがしっかりしていると、速く走れると考えられています。
陸上競技でいうきれいなフォームの基本は、身体がまっすぐな状態つまり背筋が伸びている状態。背筋が曲がっていると力がうまく地面に伝わらず、速く走ることができません。
また、頭からつま先までが安定していないとバランスがとれずに身体がブレてしまい、力を最大限に生かすことができないので、安定したフォームが必要ということになります。
足が遅い原因の一つに、走るときのフォームが悪い、安定していないということが考えられますね。
筋力も大切な要素
速く走るために必要なのが、ピッチ(足の回転による歩数)とストライド(歩幅)のバランス。このふたつの要素をかけたものが、走るスピードをあらわします。
ピッチとストライドを強化するために必要なのが、筋力。
プロの陸上選手は走るための筋力増強のため、様々なトレーニングを行い、筋力増加に励んでいるそうですよ。足が遅い原因に、筋力不足という原因も考られますね。
ただ、小学生・中学生のうちは成長期で自然に筋力も増えるため、筋力不足を補うトレーニングは必要ないと考えられることが多いです。また、筋力トレーニングは骨や筋肉が未発達の状態で行うとケガの恐れがあるといわれているので、注意が必要です。
メンタル面も大切!自信をつけて集中することが第一歩
プロの陸上選手は、本番で自分の力を出し切ることができます。その為に重要なのはリラックス。
無駄な力が入り過ぎていては良い結果は生まれないようです。足が遅い原因に、自信がないので緊張してしまい、リラックスできていないということも関係しているようです。
また、集中力も重要な要素。今この瞬間だけに集中するということは、勝負の世界で大切なことです。足が遅い原因に、周りを気にしすぎて集中できていないということもありますね。
足の速い友達はこれができている!
では、同じ小学生でも足が遅い子と足の速い子とでは、何が違うのでしょうか?背が高い、力がある、などの身体的な特徴は子供それぞれにありますが、それ以外の部分をみていきましょう。
フォームができている!
特にスポーツ競技の指導を受けていなくても、足の速い子はいますよね。その子たちに共通するのはやはりフォームです。
無意識的によい姿勢で走ることができるということは、日常的にも姿勢がよいということが考えられます。逆に、普段から猫背気味の子は注意が必要ですね。
リラックスができている!
運動会や体育のテストなどの本番で速く走れる子は、緊張が少なくリラックスして走れています。
スポーツクラブなどに所属している子は体力や技術面でのアドバンテージももちろんありますが、運動の場面での緊張を経験している子は本番に多少でも慣れています。そんな子は心理的にも余裕があるので、リラックスして走ることができ、よい結果を残せる場合が多いのです。
また、リラックスには自信も大いに関係しています。自信は、「できた!」「やった!」という達成経験を積むことでついてきます。この達成経験はスポーツに限らず遊びなどでもよいのです。「自分はやればできる」という感覚を育ててあげることが重要ですね。
ただし、無理をしてやらせて達成経験を積ませることは出来ません。その子の個性や自主性を尊重し、その子に合ったペースで自信をつけていきましょう。
走る前にはリラックスして力を抜くということを心がけるだけでも効果がありそうです。ただし、力の抜き過ぎには注意ですよ。
「鬼ごっこ」上手な子は足も速い
走るという動作は、足の力だけではありません。全身を動かし、頭を働かせて、身体全体を連動させる協調運動が必要になります。
小学校低学年などであれば、鬼ごっこが協調運動を鍛える絶好の遊び。追いつこうとすることでスピード感が身に付き、急発進をする筋力を鍛え、周囲を観察する洞察力、遊びに没頭することで集中力も高めます。
さらに、遊びは子供の自主性からはじまるものなので、運動経験として蓄積され、様々な場面に生かすことができるのです。
今日からできるトレーニング方法!
ここで、簡単なトレーニング方法をご紹介します。室内でできるものなので、今日からでも取り入れることができますよ!是非試してみて下さいね。
はじめての時はお父さんお母さんも一緒にやってみると、スムーズにトレーニングできますよ。
フォームの基本をしっかりと!
まずは、正しい姿勢を意識することを教えましょう。
正しい姿勢とは、まっすぐな姿勢ですので、リラックスした気をつけというようなイメージですね。
あごが出過ぎてしまう場合は目線を少し上に向けるように、背中が曲がる場合は胸を張るように声掛けしましょう。背筋が曲がっていたり、首や頭だけが前に出ていないか、横から見て確かめましょう。
姿勢の写真を撮って、子供一緒に見るのもいいですね。テレビなどで陸上選手やサッカー選手など、足の速い人のフォームを見るのも参考になりそうです。
その正しい姿勢のまま前傾し、歩くことからはじめましょう。前傾姿勢が難しい場合は、以下の方法(※1)も試してみて下さい。
- ① 正しい姿勢で座る
- →両足つま先の間でにぎりこぶし2個分ほど開ける
- →あたまの上から一本の串が刺さっているようなイメージを持ちその串が折れないように座る
- ➁ ①の姿勢でしっかりと立つ
- →頭から刺さっている串が折れないようなイメージを持って立つ
- →このときに肩が前へ出て猫背になっている姿勢を直すために両手を後ろに伸ばしてひっぱる
- →胸が前へ出たら両手を横に戻して両足を閉じてまっすぐに立てば、正しい姿勢の出来上がり
- ➂ ➁の姿勢を崩さないように歩いて、徐々に走る
- →頭から刺さっている串が折れないように意識しながらゆっくりと歩く
- →慣れてきたらゆっくりと走ってみる
(※1)サカイク 足が速くなる方法!正しい姿勢で走ることでタイムは変わる
簡単トレーニング①腕ふり練習
- 床に足を伸ばして座り、脇を締め手を握ります。
- そのまま、腕を前後に思い切り振ります。
足の動きを助けるのが腕ふり。走りながらだと意識しすぎてしまう子が多く、意外に難しいポイントでもあります。腕ふりの感覚を覚えるのに最適なのが、座ったまま腕ふりを練習すること。
上手に腕ふりができると腰や身体全体が動くようになり、そのまま前に進めるようになります。この感覚を覚えて走るときに使うと足が連動して速く動き、速く走れるようになりますよ。
簡単トレーニング②ひとりビーチフラッグス
- 室内でやる場合は安全を考え、広い場所で靴下を脱いで行いましょう。
- まず、うつぶせになり手をあごの下に置きます。
- 合図で起き上がって、ビーチフラッグスのようにダッシュします。
- スタートの練習なので、距離は短くてOKですよ。
スポーツのトレーニングにもよく登場するビーチフラッグス。実は、スタートダッシュの練習にピッタリなんです。
このトレーニングをすることで、スタートの一歩目が前傾姿勢で素早く出せるようになるそうです。転びそうになるくらい前傾になるのがポイントですよ。
まとめ
いかがでしたか?子供の個性はそれぞれあります。
その子に当てはまる足の遅い原因を考え、アプローチしてみると良いですね。
簡単なトレーニング法で少しでも早く走れるようになって自信をつくと、運動が楽しくなります。お父さんお母さんの声掛けもメンタル面での重要なポイントとなりますので、一緒に盛り上がれるといいですね!
たとえ結果が出なくとも、努力をたくさん誉めるようにしましょう。運動が楽しくなると走ることも好きになり、もっと足が速くなるはずですよ。
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