身長を伸ばす栄養素ってどんなのがあるの?
まず、身長が伸びるということはどのような仕組みであるかご存じですか?
「身長が伸びる=骨が伸びる」
ということで、骨が成長しないと背は伸びません。骨はそのまま縦に伸びるわけではなく、古くなった骨が新しく作成されることにより、少しずつ伸びていきます。その骨を作成するために必要なのが栄養です。骨は食べたものから作られていきます。
どんな栄養素によって骨が作られていくのか、チェックしてみましょう。
身長を伸ばす主な5つの栄養素
- 1.カルシウム
- 2.マグネシウム
- 3.ビタミンD
- 4.タンパク質
- 5.亜鉛
特にこの5つが、骨の原料となったり、骨の土台を作ったり、また成長ホルモンの分泌を促したりと大切な役割を担っています。
成長期の子供は、この5つの栄養素を特に意識して、積極的に摂取させることをおすすめします。その他にも、リン、葉酸、ビタミンC・K、鉄分、銅、アルギニンなどの栄養素も重要だと言われています。これらは主要な5つの栄養素を体に取り入れるためのサポートをしてくれます。
アルギニンは低身長の治療に使われることがあり、成長ホルモンの分泌を促進すると話題になっていますが、食べもので十分に摂取することは難しいため、サプリメントなどで補うのもいいでしょう。
今回はカルシウム、マグネシウム、ビタミンD、タンパク質、亜鉛の5つにスポットを当てます。これらの栄養素が骨作りにどんな役割をしているかを見てみましょう。
どんな効果があるの?
骨を成長させるのに主に必要な5つの栄養素は、摂取することでどんな効果があるのでしょうか。まだそれぞれの栄養素がどんなものに多く含まれているか、ご紹介します。
1.カルシウム
身長を伸ばしたいなら”カルシウム”を、と昔からよく言われていますね。カルシウムは骨の原料です。新しく骨を作り変える作用を持っています。
しかしこのカルシウムは骨を作るだけでなく、血液や体液の中でも、いろいろな体の機能を調節するという役割を担っています。カルシウムが不足すると、骨を作る働きよりも、体の機能を調節する働きを優先させます。そのため、身長が伸びにくい状況に陥ります。
子供の1日に必要なカルシウムの摂取推奨量(※1)
性別/年齢 | 1-2歳 | 3-5歳 | 6-7歳 | 8-9歳 | 10-11歳 | 12-14歳 | 15-17歳 |
男子 | 450mg | 600mg | 600mg | 650mg | 700mg | 1,000mg | 800mg |
女子 | 400mg | 550mg | 550mg | 750mg | 750mg | 800mg | 650mg |
カルシウムが多く含まれる食べもの例
乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)、海産物(わかめ、しらす干し、干しエビなど)、野菜(小松菜、モロヘイヤ、ちんげん菜など)、大豆製品(豆腐、油揚げ、納豆など)、ごま
2.マグネシウム
マグネシウムはカルシウムと一緒に骨を形成する栄養素です。カルシウムの吸収を調節する役割も担っています。
いくらカルシウムをたくさん摂っても、マグネシウムを摂らなければ意味がないというほど、密接な関係のカルシウムとマグネシウム。2つが協力して骨を作っています。カルシウムとマグネシウムの摂取量の理想の割合は、2:1です。
子供の1日に必要なマグネシウムの摂取推奨量(※1)
性別/年齢 | 1-2歳 | 3-5歳 | 6-7歳 | 8-9歳 | 10-11歳 | 12-14歳 | 15-17歳 |
男子 | 70mg | 100mg | 130mg | 170mg | 210mg | 290mg | 360mg |
女子 | 70mg | 100mg | 130mg | 160mg | 220mg | 290mg | 310mg |
マグネシウムが多く含まれる食べもの例
海産物(昆布、ひじき、牡蠣、カツオなど)、大豆製品(木綿豆腐、インゲン豆など)、ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、落花生など)、ほうれん草、玄米
ただし、ナッツ類はカロリーが高いので、摂りすぎに注意が必要です。
3.ビタミンD
ビタミンDは、小腸でカルシウムの吸収率をスムーズにアップさせたり、カルシウムを骨まで運び吸着させたりという働きをします。
丈夫な骨作りのためには欠かせない存在です。ビタミンDが不足すると、骨の変形などの成長障害につながることも。このビタミンDは食べて摂取する以外にも、日光を浴びることで体の中で生成することが可能です。
紫外線を気にして外で遊ばない子供も増えていますが、お天気のいい日には、薄着で10~20分ほどの日光浴をするのもおすすめです。体内リズムも整えられますよ。
子供の1日に必要なビタミンDの摂取目安量(※2)
性別/年齢 | 1-2歳 | 3-5歳 | 6-7歳 | 8-9歳 | 10-11歳 | 12-14歳 | 15-17歳 |
男子 | 2.5μg | 2.5μg | 2.5μg | 3.0μg | 3.5μg | 3.5μg | 3.5μg |
女子 | 2.5μg | 2.5μg | 2.5μg | 3.0μg | 3.5μg | 3.5μg | 3.5μg |
ビタミンDが多く含まれる食べもの例
海産物(しらす干し、イワシ、ブリ、鮭など)、きのこ類(しめじ、しいたけなど)
4.タンパク質
タンパク質も、体が大きく成長する子供には特に欠かせない栄養素です。骨の成長を促す成長ホルモンの材料となります。
また、タンパク質のひとつであるコラーゲンが、骨の軟骨部分を作ります。軟骨部分がないと、すぐに骨折をしてしまうなど、弱い骨しかできません。丈夫な骨を作るのには必要不可欠な栄養素なのです。
子供の1日に必要なタンパク質の摂取推奨量(※2)
性別/年齢 | 1-2歳 | 3-5歳 | 6-7歳 | 8-9歳 | 10-11歳 | 12-14歳 | 15-17歳 |
男子 | 20g | 25g | 35g | 40g | 50g | 60g | 65g |
女子 | 20g | 25g | 30g | 40g | 50g | 55g | 55g |
タンパク質が多く含まれる食べもの例
乳製品(牛乳、チーズなど)、海産物(しらす干し、イワシ、いくらなど)、肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、大豆製品(納豆、豆腐、味噌など)、卵
5.亜鉛
亜鉛は、カルシウムを体内に吸収するのを促し、骨の成長を促進させる役割をしています。
成長ホルモンを形成し、古い骨から新しい骨を作るという代謝をスムーズにする働きもあるため、充分に摂ることで質の良い”骨の土台”ができます。タンパク質と一緒に摂取することで、お互いの吸収率を高められます。
子供の1日に必要な亜鉛の摂取推奨量(※2)
性別/年齢 | 1-2歳 | 3-5歳 | 6-7歳 | 8-9歳 | 10-11歳 | 12-14歳 | 15-17歳 |
男子 | 3mg | 4mg | 5mg | 6mg | 7mg | 9mg | 10mg |
女子 | 3mg | 4mg | 5mg | 6mg | 7mg | 8mg | 8mg |
亜鉛が多く含まれる食べもの例
肉類(豚レバー、豚もも肉、挽肉、ささみなど)、 海産物(牡蠣、ウナギ、さんまなど)、納豆、卵黄
(※1)厚生労働省-日本人の食事摂取基準(2015年度)概要より抜粋
お子さんが成長期の今こそ!
上でご紹介したような栄養素を摂らせてあげることはもちろん、他にも親としてしてあげられることがいくつかあります。
お子さんが成長期の今だからこそ、健康な体づくりのためや、身長が伸びるようサポートしてあげましょう。
毎日の食事でバランスよく食べよう
身長を伸ばすのに大切な5つの栄養素はもちろん、なんでもバランスよく食べることが大切です。好き嫌いせず、さまざまな食材が食べられるようにしましょう。
嫌いな食べ物があるときは、細かく刻んだり、味付けを変えたり、工夫が必要です。子供の体づくりのため、可能であればひと手間加えてみてください。
姿勢に気を付けよう
また、食べたものの消化吸収には、姿勢も関係があります。猫背など前かがみの姿勢では、せっかく食べた栄養も吸収率がダウン。背筋を伸ばしたいい姿勢を心がけたいですね。
姿勢を整えることは、視力の低下の予防や運動能力の発達、集中力のアップにも良い効果があります。親子で一緒に良い姿勢に取り組みましょう。
運動や睡眠にも気をつけてみよう
運動や睡眠も成長ホルモンを分泌させる重要な生活習慣です。運動は特に縦の運動を意識したものがおすすめ。あまり運動する機会のない子は、ジャンプや縦に身体を伸ばすストレッチを、普段の生活に取り入れてみませんか。
また、「寝る子は育つ」の言葉通り、夜は夜更かしせずに寝ることで、成長ホルモンの分泌を促します。特に23時から2時の間は、成長ホルモンの分泌が盛んなゴールデンタイムだと言われています。日中は身体を動かし、夜はたっぷりと寝ることも、骨の成長に繋がるのです。
栄養の偏りが気になったらサプリメントの活用も
普段の食事から栄養を摂るのが大切ではありますが、偏食、食が細い、アレルギーがあるなど、充分に食事から摂れない場合は、サプリメントの活用も考えてみましょう。
子供の成長用のサプリメントが近年増えていますが、その内容にも注目して選ぶようにしてください。身長を伸ばすのに必要な栄養素が含まれているかはもちろん、原材料や添加物の有無はチェックしたいポイントです。
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ほかにもおすすめのサプリメントをこちらの記事で紹介しています。
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まとめ
子供の身長を伸ばすためには、さまざまな栄養素が複雑に関係しあって骨を作っています。
ひとつの食品をたくさん食べたり、一時的にたくさん栄養を摂ればいいわけではありません。毎日の食事の積み重ねが、お子さんの体を作っていきます。子供の食事も生活習慣の改善も、親のサポートが必要です。そしてそれを続けることが何より大切です。
毎日の食事、生活スタイルをできるところから親子で一緒に見直し、意識していけるといいですね。
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